
【ブログ名】浴場市場はかく語りき
【著者氏名】米澤英一郎
【所属機関と役職】浴場市場株式会社 代表取締役社長
【著者経歴】
早稲田大学理工学部を卒業後、システムエンジニアとして5年間勤務、社会人としての基礎やものづくりの手順、論理的思考の基本を習得しました。入社した頃の自分はひどく直感的であり、他の人に理解されなくても自分さえ理解していれば問題ないという姿勢でした。ビジネスとなればそのようなわけにも行かず、他の人の理解を得るために、後に社長まで登り詰めるとても論理的で有能な上司の下で論理的に説明する術を学んだ気がします。
その後、オフィスへのパソコンの普及と共に「パソコンを利用できない中高年は不要」という風潮に乗じて、黎明期のオンラインパソコンスクール事業に参画。中高年を救おうという気持ちで事業に参画しましたが、通信回線のスピードがISDNでは低速で、双方向の通信機器の設計も不完全であったので、時期尚早というべきか、事業は頓挫しました。この経験から、入念な下準備と市場調査の重要性、そして安易な見切り発車の危険性を痛感しました。退職金を持ち寄って意気揚々と起業した中高年の取締役の方々が、財産を失う局面を目の当たりにしました。倒産前に退職した私に元上司から電話があり、「君の言うとおりだった。倒産した。」と電話があったことが忘れられません。
さらなるトライで技術者に留まることなく、マネジメントやコミュニケーション能力を磨くため、ケーブルテレビ会社で新規顧客獲得営業に従事。競合相手となっている相反する企業の双方に出資するという奇異にも見えた大資本である商社のビジネスモデルを肌で学ぶ貴重な機会を得ました。この行動について上層部に尋ねると、「どっちか残ればいい」と言われたのを覚えてます。未だにお金持ちの戦い方だと思っています。
そんな中、ブラジルでコーヒー農園を営む経営者との出会いを機に、「生産者の顔が見えるコーヒー」という国内に留まらないトレーサビリティの概念に深く共感し、その事業に参画。焙煎コーヒーのネット販売事業を立ち上げました。通販サイトの構築から、気圧の低い高地で焙煎された豆を空輸するための製品開発までを手がけ、ブラジルで製造業を行う困難さ、国民性の違い、大自然を相手にしたビジネスの奥深さを学びました。農園の経営者はこの時70歳を超えていましたが、覇気があり頭も鮮明でした。これくらいの年齢になると、生き方で大変大きな差が生じるもんだと学んだものです。
その後は、通信機器ベンチャー企業でマーケティングや代理店営業として販路拡大を経験。「代理店は売りやすく、売れるものしか売らない」という市場の現実を痛感し、製品力だけでなく販路戦略の重要性を学びました。
その後は株式会社アクトパスの専務としてコンサルティング業務に携わりながら、これまでの異色のキャリアで培った知識と経験の全てを投入し、通販サイト浴場市場を構築、分社して現在に至ります。
私の多岐にわたる経験は、一見すると異色に見えるかもしれません。しかし、その全てが繋がり、独自の視点と強固な武器となり、浴場市場における新しい価値創造へと繋がっています。
このブログでは、工学部の素地と私の経験を通して得た知見を惜しみなく発信し、皆様のビジネスや人生に役立つヒントを提供していけたらと思います。
以上